アラブ人作家として初めてノーベル文学賞を 受賞したナギーブ・マフフーズの短編集
アラブ人作家として初めてノーベル文学賞を
受賞したナギーブ・マフフーズの短編集
五篇の短編が入ってます
どれも、人間的で共感するストーリーと、アラブの匂いのする作品。
ウード奏者の加藤さんに教えてもらってだいぶ前に買ってたけど、一回目読んだ時はサラッと読んで頭に残ってなかったのでw改めて。
面白かったです。
後書きも読むと深まるので、一回後書き読んでから読むのもいいかも。
読み終えたので、カイロ三部作を次は買ってみよう
好きな文体の日本語で読めて訳者の塙治夫さんに感謝
調べたら2016年に亡くなってらっしゃった😢
以下ざっと感想
①【ザアバラーウィー】は病気を抱えた男がイスラム聖者を探す話。ちょっと不思議な香りのする作品
②【空っぽのカフェ】は、今の日本にも共通する妻を亡くした高齢の男性の話。これは胸が締め付けられた
③【旅立ちの前】は、アレクサンドリアからサイーディに引っ越す男の引っ越し前夜に娼婦と過ごす話。こーゆーのは誰しも大なり小なり経験があるんじゃないだろうか
④【手品師が皿をさらった】はこれも、誰しも子供の頃に経験がありそうな、お使い中に失敗して怒られたり、いろんな誘惑に負けたり、怖い思いをする話。一番アラブな雰囲気がする。
⑤【頂上の人】は主人公ムハンマドの有能だが貧しい警察官とスリのお話。
職場では有能だが、家では妻に頭の上がらないムハンマド。優しすぎるゆえかなとも。これはムハンマドの人間らささと、スリのザアタル・ヌーリーが一本筋が通っていてかっこいい。その対比もなんとも素敵な話だった。